人事労務ニュース
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文書作成日:2023/10/31

最低賃金引上げに伴い賃上げに取り組む企業への公的支援

 2023年度の最低賃金は、過去最大の引上げ幅となりました。この引上げに伴い、賃上げに取り組む企業への公的支援が設けられています。助成金・補助金には予算額が設けられているため、いざ活用しようと考えたときに、受付が終了している可能性があります。活用される場合は、早めに検討しましょう。

[1]業務改善助成金
 業務改善助成金とは、事業場内で最も低い賃金を30円以上引き上げ、設備投資等を行った中小企業・小規模事業者等に、設備投資等の費用の一部を助成する制度です。
 事業場内の最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内の事業場が対象となります。例えば地域別最低賃金が950円で、事業場内の最低賃金が985円の場合、差額が50円以内であることから対象となります。また、2023年8月31日より、事業場規模が50人未満で、2023年4月1日から2023年12月31日までに事業場内の最低賃金の引き上げを実施した場合は、賃金引き上げ後に申請することも可能です。
 費用の助成率は、下表のとおりです。なお、引き上げる労働者の数と引上げ額の区分に応じて、助成上限額が設けられています。※図はクリックで拡大されます。

[2]キャリアアップ助成金
 キャリアアップ助成金に設けられている「賃金規定等改定コース」は、有期雇用労働者等の基本給を定める賃金規定等を3%以上増額する形で改定し、その規定を適用させた場合に助成されるものです。要件としては、以下のすべてに当てはまる必要があります。

  1. キャリアアップ計画の作成・提出
    賃金規定等を増額改定する前日までにキャリアアップ計画を作成し、都道府県労働局へ提出していること。
  2. 賃金規定等の適用
    有期雇用労働者等の基本給を賃金規定等に定めていること。
  3. 賃金アップ
    2.の賃金規定等を3%以上増額改定し、改定後の規定に基づき6ヶ月分の賃金を支給していること。

 3%以上5%未満増額改定した場合に1人当たり5万円(大企業3.3万円)、5%以上増額改定した場合に6.5万円(大企業4.3万円)が助成されます。1年度1事業所あたりの支給申請上限人数は100人までです。

[3]事業再構築補助金
 事業再構築補助金に設けられている「最低賃金枠」は、最低賃金の引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等を対象に補助金を交付しています。
 補助率は中小企業の場合3/4、中堅企業の場合2/3で、従業員数の区分に応じて補助上限額が設けられています。なお、この補助金は、期間を区切って公募されているため、要件については最新情報を確認ください。

 これらのほか、ものづくり・商業・サービス補助金とIT導入補助金については、「事業場内最低賃金を地域別最低賃金プラス50円以上の水準にすること」を満たした場合、補助金の採択において加点措置が設けられています。
 今回とり上げた助成金・補助金には、様々な要件が設けられています。活用を検討される場合は事前に確認しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「最低賃金引き上げに伴う支援を強化しています
厚生労働省「業務改善助成金
厚生労働省「キャリアアップ助成金
独立行政法人中小企業基盤整備機構「事業再構築補助金

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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