旬の特集
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文書作成日:2025/11/27

労働者数50人以上の企業(事業場)に求められること

労働者数が増え50人以上になると、企業(事業場)として実施が求められる事項が出てきます。以下ではその内容と、労働者の定義や労働者数のカウント方法を確認します。

[ 1 ]
労働安全衛生法

 労働安全衛生法では、常時使用する労働者数が50人以上の事業場に対して、衛生管理者の選任・報告など、様々な対応を義務付けています。その内容を確認する前に、様々な用語の定義を確認しておきます。
 労働安全衛生法の対象となる「労働者」とは、原則、労働基準法と同じ「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」とされています。そして、「常時使用する」とは、企業の通常の状況により判断するとされており、臨時的に雇い入れた場合や欠員を生じた場合は、労働者数に変動が生じたものとして取り扱う必要はないものの、パートタイマー・アルバイトであっても臨時的な雇い入れでなければ、常時使用する労働者数に含める必要があるとされています。
 これを押さえた上で、労働者数が50人以上の事業場に対して義務付けられている事項は、以下の5点です。ここでは全業種が適用されるものを取り上げています。

  1. 衛生管理者の選任・報告
  2. 衛生委員会の開催
  3. 産業医の選任・報告
  4. ストレスチェックの実施・報告
  5. 定期健康診断結果報告書の提出
 このうち、1の衛生管理者の選任については、企業ではなく事業場が単位となり、労働者数が50人以上の事業場が複数ある場合には事業場ごとに選任する必要があります。また、4のストレスチェックについては、施行時期は未定ですが、今後、労働者数に関わらず、すべての事業場での実施が義務となることが決まっています。
[ 2 ]
社会保険の適用
 2024年10月より、労働者数51人以上100人以下の企業について、1週間の所定労働時間が20時間以上等であるパートタイマーやアルバイト等も社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することになりました。この労働者数は、厚生年金保険の被保険者数のことをいいます。
 この社会保険の適用についても、企業規模要件が順次、縮小・撤廃されることが決まっており、2027年10月に労働者数36人以上、2029年10月に労働者数21人以上、2032年10月に労働者数11人以上、2035年10月に10人以下の企業に適用されます。
[ 3 ]
障害者雇用

 こちらは、労働者数50人以上の企業ではありませんが、補足情報としてとり上げます。現在、民間企業の障害者の法定雇用率は2.5%であり、常時雇用する労働者数40.0人以上の企業で障害者を雇用する義務があります。この常時雇用する労働者とは、原則として、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者であって、1年を超えて雇用される人(見込みを含む)をいいます。計算方法は、1週間の所定労働時間が30時間以上の労働者については1人としてカウントし、20時間以上30時間未満の労働者については1人を0.5人としてカウントします。
 また、2026年7月より、法定雇用率が2.7%に引き上げられることから、常時雇用する労働者数37.5人以上の企業で障害者を雇用する義務が発生することになります。


 人材の積極採用などにより、労働者数が増えている企業(事業場)では、各事項について対象となるタイミングを確認し、見通しを立てておくとよいでしょう。

■参考リンク
東京労働局「総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医のあらまし
厚生労働省「年金制度改正法が成立しました
厚生労働省「障害者雇用対策

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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