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文書作成日:2023/11/23

106万円の壁対応策で設けられた社会保険適用促進手当・キャリアアップ助成金

106万円の壁対応策として、厚生労働省では社会保険適用促進手当を創設したり、キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を新設したりするなどの対策を行い、2023年10月1日に遡って適用できることとしました。以下ではこれらの内容をとり上げます。

[ 1 ]
社会保険適用促進手当

 社会保険適用促進手当とは、社会保険の適用を促進するために、会社が従業員の保険料負担を軽減するために手当を支給した際、本人負担分の保険料相当額を上限として社会保険料の算定対象としないことができるという仕組みです。この対象者は標準報酬月額が10.4万円以下であることが要件で、最大2年間の措置となっています。また、事業所内でのバランスを考慮し、同じ条件で働く他の従業員にも同じ水準の手当を特例的に支給する場合は、同じ取扱いにすることができるとされています。

[ 2 ]
キャリアアップ助成金
 社会保険の加入を促進するために、キャリアアップ助成金に新しいコースが創設されました。新設された「社会保険適用時処遇改善コース」には、次の3つのメニューがあります。
  1. 手当等支給メニュー
     「手当等支援メニュー」は、会社がパートタイマー等を社会保険に加入させる際に、社会保険料の負担を軽減する手当を支給することにより、パートタイマー等の収入を増加させたときに、助成金が支給されるものです。取組み内容は表1のとおり3段階(3年)に分かれており、半年ごとに支給申請を行うこととなります。※表は全てクリックで拡大されます。


  2. 労働時間延長メニュー
     「労働時間延長メニュー」は、所定労働時間を延長により、社会保険を適用させたときに助成金が支給されるものです(表2参照)。週の所定労働時間の延長時間が4時間未満のときは、時間給の引上げ等による賃金の増額も必要になります。


  3. 併用メニュー
     上記でとり上げた各々のメニューによる助成金を受けるほか、1年目は1.の手当等支援メニューを実施し、2年目に2.の労働時間延長メニューを実施する併用メニューを活用することも可能です(表3参照)。


 今回、キャリアアップ助成金の申請については、手続が簡素化されています。まず、通常のキャリアアップ助成金の申請は事前にキャリアアップ計画書を提出する必要がありますが、この「社会保険適用時処遇改善コース」の取組みを2024年1月31日までに開始する場合には、2024年1月31日までに提出することが認められています。次に、このキャリアアップ計画書は、取組内容をチェックボックスにすることなど簡素化され、対象となる従業員からの署名を求める賃金台帳等確認書の提出も不要とされています。そのほか、対象従業員の6ヶ月または1年分の出勤簿等の提出は、必要に応じて提出してもらうなど、添付書類の削減が図られています。


 今回とり上げた社会保険適用促進手当やキャリアアップ助成金に関してQ&Aが公開されています。内容を確認した上で、自社での活用を検討しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ
厚生労働省「申請様式のダウンロード(キャリアアップ助成金) 令和5年10月20日以降

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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